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相続人の一部が海外在住の場合の相続手続き

当センターは、海外に居住している相続人の皆様からも多くのご依頼を頂いております。

特に近年では、日本在住の親族が亡くなり、日本国内で相続手続き必要だが、相続人である子や兄弟姉妹が仕事や留学の都合で海外在住(アメリカ、カナダ、オーストラリア在住等)であるようなケースのご相談が増えております。

このページでは、海外在住の相続人が、日本国内において故人の凍結した銀行預金口座の解約をしたり、不動産の名義変更を行ったりする場合の注意点についてご説明します。

相続人に海外在住者が含まれる場合の相続手続きや遺産分割協議は、相続人が日本在住者のみの場合に比べて手続きが非常に難しくなりますので、注意が必要です。

しかも、相続人が日本在住者のみの場合に比べて、相続人が海外在住の場合は、相続手続きに要する期間が長期化する傾向にあります。

どの程度時間がかかるのか、当センターの経験からイメージをご説明すると、相続人が日本在住者のみの場合に、当センターのような専門家がお手伝いして3カ月~半年程度で完了する相続手続きが、相続人が海外在住の場合だと、当センターのような専門家がお手伝いしたとしても、1年~3年程度の期間が必要になるようなイメージです。

そのため、相続人だけで独力で手続きを行うのか、あるいは、当センターのような外部の専門家に支援を依頼するのか、早めに決断して相続手続きに着手しないと、10カ月以内という相続税の申告期限に間に合わないことになります。

厳しい現実的な話をすると、相続人に海外在住者が含まれる場合は、10カ月以内に相続手続きを終えることは、ほぼ不可能だと考えてください。

そもそもの話ですが、相続人に海外在住者が含まれる場合は、故人が生前に遺言公正証書を作成し、遺言執行者を予め選任しておくべきであり、そのような生前の相続対策を怠った場合は、残されたご家族の皆様は手続きの長期化を諦めて受け入れざるを得ないのが、多くのご家庭における現実です。

したがって、相続人の一部に海外在住者が含まれる場合の相続手続きは、「とにかく早めに手続きに着手する」という点が、相続人の皆様にとってはまずは重要になります。

ご家族がお亡くなりになり、精神的に大変辛い時期ではありますが、相続手続きを先延ばしにできるほど期間的な余裕はありません。

以下、相続人に海外在住者が含まれる場合の相続手続について具体的な問題点、対策等を解説します。

1.平日昼間に日本の銀行や役所に通えない

相続人が海外在住の場合は、そもそも日本にいないので、平日昼間に日本の役所や銀行に何度も通うことができず、そもそも相続手続きが実行できません。

相続人が日本在住の場合でさえ、平日に何度も何度も銀行や役所に通う必要があるのですから、年に数回しか日本に帰国しないような海外在住の方では、相続手続きを行うことは、ほぼ不可能です。

参考) 死亡により凍結した銀行口座解約手続き

そのため、相続人に海外在住者が含まれる場合は、日本に在住する他の相続人が全相続人を代表して、平日昼間に銀行や役所に何度も何度も通って、銀行や役所と打ち合わせをして、口座解約に必要な提出書類等の確認を行う必要があります。

そして、海外在住の相続人との連絡調整や、海外在住の相続人との必要書類を郵送でのやり取りをして、日本在住の相続人が全て書類をとりまとめ、整理した上で銀行や役所に提出して各種名義変更・相続手続きを行う必要があります。

この場合、日本在住の相続人の事務負担が非常に大きくなりますので、その点について覚悟して頂く必要があります。

なお、近年では、相続人が全て海外在住の場合や、日本在住の相続人が既に高齢で足腰が悪く、役所や銀行を何度も往復することが困難の場合など、このような手法が取れないケースも増えてきております。

そのような場合は、当センターのような専門家にご依頼を頂く必要があります。

当センターに正式にご依頼頂いた場合は、国家資格者が相続人様の代理人として銀行や役所に訪問して、銀行や役所と事前の折衝を行い、必要書類等の確認を行い、海外在住所の相続人様とも郵送等でやりとりさせて頂きます。

2.戸籍謄本・印鑑証明書・住民票が取得できない

相続人が海外在住者の場合に一番の問題となるのが、我が国(日本)における戸籍謄本、印鑑証明書や住民票という公的証明書が取得できないことです。

そもそも、死亡により凍結した故人の銀行口座解約や不動産名義変更等の相続手続きを行うためには、前提として、相続人であることを証明するために戸籍謄本等が必要になります。

また、原則として遺産分割協議書の作成も必要になります。

遺産分割協議書には、相続人全員が内容に同意したことを証明するため、実印を押印した上で、印鑑証明書を添付することが必要になります。

しかし、これらの実印・印鑑証明書・戸籍等の制度は日本固有のものであり、諸外国には実印や戸籍制度が無い国も多いです。

そのため、相続人が海外在住者の場合には次のような証明書を代わりに取得して、日本国内の役所や銀行に提出することになります。

3.印鑑証明書の代わりに「サイン証明書(署名証明)」を発行してもらう

海外在住者の日本人が印鑑証明書の代わりに用意すべき書類は、「サイン証明書(署名証明書)」です。

外務省の公式HPでは「署名証明書」という呼び方ですが、世間一般では「サイン証明書」という呼び方で説明されているケースが多いと思います。

サイン証明書は現地の在外日本領事館で発行してもらいます。

サイン証明書を発行してもらうためには、海外在住の相続人が遺産分割協議書を現地の在外日本領事館に持参して、当該相続人が領事館職員の面前で署名(サイン)する必要があります。

それにより、現地の日本領事館から「この署名(サイン)は、日本国籍の申請者(海外在住の相続人)の署名に間違いない」ということを日本語で証明する文書を発行してもらうことができます。

実際の手続きの流れとしては、予め日本国内の相続人と海外在住の相続人が意思疎通を図り、相続人全員が同意した遺産分割協議書を作成した上で、その遺産分割協議書を海外在住の相続人の元へ国際郵便で郵送します。

その遺産分割協議書を海外在住の相続人が現地の日本領事館に持参してサイン証明を発行してもらうことになります。

そして、サイン証明がなされた遺産分割協議書を日本在住の相続人の元に返送して、日本在住の相続人が役所や銀行等で相続手続きを行うことになります。

サイン証明を発行してもらう際の注意点は、「遺産分割協議書には事前に署名をしてはいけない」ということです。

遺産分割協議書への署名は、海外在住の相続人が現地の領事館に出向き、領事館職員の面前で行いますので注意してください。

サイン証明は、本人が現地の領事館で署名をする必要がありますので、本人が領事館に直接訪問しなければいけません。

つまり、相続人が忙しいからといって、代理人が領事館に出向いてサイン証明書を発行してもらうことはできませんし、郵送でサイン証明はを取り寄せるというようなことはできませんので、現地の領事館に出向く時間を確保するなどサイン証明を発行してもらうにも一苦労です。

在外の日本領事館に訪問する前に、領事館に電話をして必要書類等や手続きの流れを確認してから領事館に出向くようにしてください。

※サイン証明書の様式は国によって違います。

4.住民票の代わりに「在留証明書」を発行してもらう

上記のサイン証明書は署名の真正性を証明するものであり、現地(海外)での住所を証明する書類ではありません。

そこで、海外での住所の証明をするためには「在留証明書」の取得が必要になります。

例えば、海外在住の相続人が日本の不動産を相続する場合には、サイン証明に加えて、在留証明書も必要になります。

相続財産に不動産がある場合は日本の法務局で名義変更の登記(相続登記)を行う必要があるからです。

法務局での不動産名義変更手続きにおいては、相続人の住所を証明するために住民票(また戸籍の附票)を提出することになっています。

しかし、海外在住者には、住民票がありません。本籍を日本に残している在外邦人の場合でも、海外での現住所は日本の戸籍には記載されません。

そこで、海外在住の日本人は、現地での住所を証明するために、現地の日本領事館において在留証明の取得が必要になります。

領事館に出向いてサイン証明書を発行してもらう際に、在留証明書も発行してもらいましょう。

在留証明書の発行を受けるためには以下の必要書類を用意する必要があります。

<必要書類>

  • 日本国籍を有していること及び本人確認ができる書類(有効な日本国旅券等)

  • 住所を確認できる文書(例:現地の官公署が発行する滞在許可証,運転免許証,納税証明書,あるいは公共料金の請求書等に住所の記載がある,現地の警察が発行した居住証明等)

  • 滞在開始時期(期間)を確認できるもの。また,滞在期間が3ヶ月未満の場合は,今後3ヶ月以上の滞在が確認できるもの(賃貸契約書、公共料金の請求書等)。

  • 証明書上の「本籍地」欄に都道府県名のみではなく,番地までの記載を希望する場合は戸籍謄(抄)本。

出典:外務省HP

5.銀行や役所は海外在住者の相続の手続き不慣れ

実は、上記のようなサイン証明書や在留証明書を提出しても、相続手続きは簡単に完了しません。

そもそも、日本の役所や銀行の窓口の人間は、海外で発行されるサイン証明書等見なれていないため、海外で発行された証明書の意味を理解していないことも多いです。

海外で発行されるサイン証明書等を見慣れている人間は、日本の役所や金融機関の窓口には、まずいません。

日本の役所や金融機関にサイン証明等を提出しても、それが本物の証明書なのか、日本国における印鑑証明書や住民票の代わりとして認めて良いのか等を判断するだけの十分な能力・経験が役所や金融機関側にありません。

しかも、海外で発行される各種の証明書の内容や形式は国によって異なります。どの国のサイン証明書が、どのような形式・内容になっている等について、役所や銀行の窓口の人間が詳細に知っているはずもないのです。

そのため相続人がとるべき対応としては、基本的には、いきなり海外の日本領事館で証明書を取得するのではなく、事前に日本の役所や金融機関の窓口に相談して、相続手続きに必要なサイン証明書等の内容・形式について指示を受けることです。

しかし、このように相談しても、そもそも役所や銀行は適切な指示ができないケースも多いです。

「とりあえず海外の領事館から証明書を発行してもらって、それを持ってきてください」

「持ってきて頂いた証明書の実物を見てから、担当部署で検討して、後日改めてご連絡します」

というような無責任極まりない返答が銀行等からなされることも少なくありません(事前に相談するだけ時間の無駄)。

しかし、残念ながら、役所や銀行の窓口の人間には、海外で発行される証明書について具体的な指示を出せるだけの能力や経験が無い場合も多いので、相続人としてはこのような無責任な指示にも従わざるを得ないケースも多いです。

その結果、海外在住の相続人が何度も証明書の取り直す羽目になってしまう場合も多々ありますが、そのような煩わしい事態もあらかじめ覚悟の上で相続手続きに臨む必要があります。

このような要因もあり、相続人に海外在住者が含まれる相続手続きは非常に長期化する傾向にあります。

6.海外在住の相続人が行方不明の場合はどうする?

これも当センターへのご相談が多いケースです。

まず基本的な注意点をご説明すると、相続人が国内在住の場合も同様ですが、単に「特定の相続人と不仲だから連絡を取りたくない」「疎遠だから、海外にいるから連絡を取るのが面倒」というような事情で、特定の相続人を除外して遺産分割協議を行うことはできません。

そのような事情で一部の相続人を除外した遺産分割協議は無効です。

そうではなく、客観的に相続人が行方不明の場合、つまり、戸籍の附票等で調査しても現住所が不明な場合や、現住所とされる場所に当該相続人が不在で連絡が取れない場合は、家庭裁判所において「失踪宣告」か「不在者の財産管理人の選任」を行うことになります。

「失踪宣告」という制度は、分かりやすく言えば、家庭裁判所の許可を得て、「行方不明の相続人を法的に死んだことにする」という手続きです。

それに対して、「不在者の財産管理人の選任」という制度は、分かりやすく言えば、「行方不明の相続人の代わりに遺産分割協議に参加する人を家庭裁判所に選んでもらう」という手続きです。

海外在住の行方不明の相続人について、「失踪宣告」と「不在者の財産管理人の選任」の2つの制度の中で、どちらの制度を利用できるのかは、具体的な状況において法的な要件を満たしているのかどうかによって異なります。

また、仮に、「失踪宣告」と「不在者の財産管理人の選任」の両方の制度を利用可能な場合であっても、どちらの制度を使った方が、残されたご家族・相続人の皆様にとって望ましいのかは、状況によって異なります。

ベターな選択肢はどちらなのかという問題は、残されたご家族・相続人の利益や心理的な負担にも配慮して、慎重に検討すべきことです。

特に、失踪宣告は「自分の親族を(法的に)死んだことにする」手続きですので、一般的には、強い抵抗感を抱くご家族の方が多いと思われます。

しかしながら、総合的にご家族の事情を考慮した場合、不在者の財産管理人を選任するよりも、失踪宣告を選択した方が残されたご家族にとって事務的・心理的負担が少ない場合などは、失踪宣告を希望されるご家族もいらっしゃいます。

例えば、当センターがご相談を受けてお手伝いしたケースですと、南米(ペルー等)に在住の方が行方不明で音信不通であったため、ご親族の要望により家庭裁判所から失踪宣告を受けた上で(法的にはお亡くなりになったことにして)、その後の各種手続きを進めたケース等があります。

海外在住の相続人が行方不明のケースは、ただでさえ面倒な海外在住者の相続手続きが一段と複雑になり、長期化します(イメージとしては、相続人が行方不明ではなく普通に連絡が取れるケースに比べると、家庭裁判所の手続き等を挟むため半年から1年程度は余計に時間がかかります。)。

相続人の皆様にとっては大変負担ではありますが、時間がかかることを覚悟した上で、手続きに臨むしかありません。

当センターにご依頼頂く場合には、相続人の皆様のご負担ができる限り少なくなるようにお手伝いさせて頂きます。

海外在住者の日本における相続手続きを国家資格者がサポートしております。

銀行等の窓口の人間が海外在住者の相続手続きに不慣れであっても、当センターがこれまでに取り扱った過去の経験から、適切な相続手続きの進め方について銀行側に提案することができます。

例えば、銀行の窓口の人間が、海外在住者の相続手続きに不慣れであっても、当センターが相続手続きサポートをする場合には、「他の支店での口座解約手続きでは、この書類を提出する方法で口座解約ができたので、今回もそれと同様にできるのではないでしょうか。」、「原則的には●●の証明書が必要なはずですが、今回はその代わりに、別な××を使う方法もあるのではないでしょうか。」というような経験に基づく提案や交渉を、銀行側に対してすることができます。

そのような提案により、海外在住者の日本における銀行口座解約等の相続手続きをスムーズに進めることができます。

海外在住者の相続手続きでお困りの際は、当センターにご依頼ください。

→ ご相談の予約はお問い合わせフォームから受付ております。

当センターにご相談・ご依頼される際の注意点について

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当センターに直接ご相談されるご家族の代表者様が、一都三県(東京・埼玉・神奈川・千葉)にお住まいの場合は、TEL:03-6328-1989(平日10時~18時)までお電話ください。

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お問い合わせを頂いた相続人様には、面談日程の調整のため、担当者より折り返しご連絡をさせて頂きます。

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相続に関するご相談は、日本に帰国された際に、東京都内にて直接面談でお受けします。メールでは面談日程の調整・面談日程のご予約受付のみ行っております。

正式に業務依頼の契約を締結していない相続人様に対して、メールによるアドバイスは行っておりません(直接お会いしての面談相談は初回無料です)。

また、直接お会いしていない海外在住の相続人様からのメールによるお問い合わせに対して、メールで費用のお見積りを提示するサービスは行っておりません。

費用のお見積りのお問い合わせに対しては返信しておりませんのであらかじめご了承ください。

メールによるやりとりでは、正確に相続人様の状況を把握することが難しく、また、こちらからのご説明も適切に伝えることが難しいため、相互に誤解を生じやすく危険です(特に相続人が海外在住の場合の手続き等は複雑なので、いっそう誤解が生じやすいです)。

手続き代行等に関する費用のお見積りについては、相続人様の状況やお手伝いさせて頂く内容・範囲等により異なるため、相互に誤解が生じないように、直接面談でご相談をお受けした後、希望される相続人様には個別にお見積りしております。

ご依頼人が海外在住の場合は、日本に一時帰国される際に、東京都内にてお会いして、相続に関するご相談に応じます(初回の面談相談は無料です)。

その後、手続き代行のご依頼を希望される場合は、業務依頼に関する委任状等の書面を交わし、着手金等の費用をお支払い頂いた後、各種業務(役所や銀行等との折衝、必要書類の調査、確認、相続人の皆様への必要な手続き等のご説明等)に着手いたします。

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